2013年2月11日月曜日

モントリオール生活:13日目 予算カットの影響

朝、オフィスに行くといつもと様子が違っていた。いつもより人が少なく、オフィスにいるスタッフも誰かのスピーチをパソコンで聞いている。何かと尋ねてみると、予算カットに関する説明会の動画配信を聞いているとのことだった。

実は今、マギル大学を含むケベック州の大学がケベック州による予算カットに揺れている。

昨年春、ケベック州は予算増加と授業料アップを大学側に約束した。それに基づいて、大学側は5年間の予算計画を立て承認された。しかしその後、授業料増加額が変更され、授業料アップによる増加額が見込みよりも少なくなった。昨年9月にはケベック州首相が替わり、新たな政権が誕生。この頃から、大学予算をめぐる動きが激しくなる。前政権が約束していた授業料アップをキャンセル。11月には授業料アップを取り消した分を州政府が補償することを約束、11月末には補償額も決まったものの、その2週間後には高等教育大臣が今年度予算を遡及して削減することを伝える。12月中旬から1月中旬にかけて今後7年間、授業料不足分の補償を行うことを州政府が支持していたものの、1月18日には高等教育大臣の予算カットは来年度も続くこと、さらなる減額も予想されるという発言が報道される。1月22日にはケベック州首相が先に述べていた今後7年間の補償を保証できないこと、大学への予算分配のやり方を見直すことを発表。そして、1月30日に、求められる削減の50%を今年度末の4月30日までに行わなければ、州政府からの予算分配である分割金を支払わないことが大学側に通知されたということのようだ。

これまでの経緯を見ると混乱しているのはよくわかる。補償する/しないといったことが何度も出てきて、関係者でも流れを追うのは大変だろう。これらの混乱は、ケベック州の首相交代後、激しくなったようだ。これらによって、大学は予算面での緊急対応を求められている。

この日、これらの経緯と大学の予算使用状況に関する説明、教職員(学生も参加していたかもしれないが)との議論の場として、説明会が行われたようだ。そして、それらの模様は、リアルタイムで配信され、キャンパス中の教職員らが閲覧できるようになっていた。これらの説明会は、この日と翌日にも同じ内容で5回ほど開催されたようだった。大学は、状況を説明した上で、どのようにこの危機を乗り越えるかの意見を公式ブログへのコメントなどで求めているということだった。説明会終了後、多くのスタッフがオフィスに戻ってきて、説明会の内容に対する議論をしていた。

正直、上記の経緯を追うのも大変だった(たぶん、合ってるはず)。今年度分も予算が削減されるのは、厳しいだろう。今年度はあと2ヶ月半しか残されていないのだから。現在は説明会の録画映像をオンラインで見ることができる。そして、公式ブログでは、教職員からのコメントが投稿されている。今月末、ケベック州の大学サミット(学生団体や大学、州政府や市民団体がケベック州の高等教育システムについて議論するもの)が開かれるようなので、その後おそらくまた動きがあるのではないだろうか。

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